『あの日』小保方晴子
前半にかなりのページを割いている、「学生時代の実験について」が難解で退屈で心が折れかけましたが、この部分を乗り越えたら、一気に読了してしまいました。
小保方さんの主張はこんな感じです。 ・小保方さんは驚くような天才というわけではなく、マウスの口の中から細胞を切り取って増殖させる職人技にたけている人で、そもそもSTAP細胞の発表の時にも表に立つべきではなかった ・STAP細胞を作る「コツ」「レシピ」を持っているのは若山先生で、問題が発覚した時にそれを若山先生がしらばっくれ続けたから再複製ができなかった ・重要個所を取り仕切ったのは若山先生 ・若山先生が細胞を盗んだ ・若山先生がマスコミに情報をリークした ・若山先生が情報を差し替えたり、理研に隠れてこそこそと小保方さんを陥れた ・理研も初めは若山先生を信じていたけど、途中から信じてない ・理研も早稲田大学も問題を大きくしないために私を切り捨てたなどなど…… 読み終わって思ったのは、まだまだこの問題は現在進行形なのだなということ。これから長い年月をかけて、真実が明らかになっていくのか、埋もれてしまうのかが楽しみになりました。 内容で克明に描かれていたのは、マスコミに追われた時の恐怖心。スティーブン・キングばりの描写で当時の恐怖が伝わってきました。正直かなり同情してしまい、毎日新聞とNHKが嫌いになっています。 また、笹山先生の自殺については、駆け足ぎみに書かれていて、それまで詳細に書かれていた内容も急にぼやけていて、きっとまだ小保方さんの中で気持ちの整理がついていないのだなとも感じました。 最後の最後は「科学者として終わった」、「今でも研究をしている夢を見る」と書かれています。小保方さんは9年間も研究をした人だし、努力家なので、このまま廃れずにダークサイドに落ちてもらい、マッド・サイエンティストとして自分を陥れた科学界に復讐をする……小説を書いてほしいと思います。 ちなみにブックオフにて500円で売れました(元値は1500円)。
by usedpeople
| 2016-03-02 19:22
| 本。
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