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ジョセフ・クーデルカ プラハ1968@東京都写真美術館

フォトジャーナリストがカメラに収めた「チェコ事件」の瞬間。
チェコ人であるジョセフ・クーデルカが国を追われる危険を冒してまで
世界に発信した作品です。

今では歴史の一ページとなっている事件が、
進行形で会った瞬間の写真は、つくられたものとは違っていました。
兵士たちも幼くて、民衆も泣き叫んだりはしていません。
人々が生きている街があり、その街を走る戦車がある。
しかし人々の表情から感じられたのは、確実な絶望以外にはありません。

戦車が姿を消し、それでいて戦車の車輪の跡がしっかりと残る
道を写した写真がとても印象的でした。

民衆だけではなく兵士も一様に、見えない未来におびえているようです。
国が違っても、時代が変わっても、人間は変わらないのだと感じさせられました。

地下では2010年の事件を収めた報道写真展もやっていて、
本当はそちらも見るつもりだったのですが、
あまりにもクーデルカの作品が衝撃的だったので、
またの機会にすることに。

私の世代の中央ヨーロッパの人々は、
小さいころに国が変わることを経験したり、
変わったばかりの国に生まれた人々です。

知り合いにもハンガリー人とチェコ人がいるのですが、
彼らは愛国心にあふれ、国の“違い”を“優劣”とイコールしてしまいがちで、
価値観はあまりあいません。
でもそれは仕方ないことだと思っていました。
血を流して新しい国を手に入れた親たちに育てられたのですから、
むしろそれが彼らとしてあるべき姿だと思っています。 .
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by usedpeople | 2011-07-15 16:00 | 鑑賞記以外