「わたしを離さないで」
「わたしを離さないで」 BYカズオ・イシグロ
たんたんと、それでいてち密に描写される3人の幼馴染たちの日常。 トミーとキャシー、そしてルースが育った場所が、 単なる孤児院ではなく、ページをめくるごとにその場所の真実や、 彼らが抱える不安と希望の理由が見えてくる。 本やストーリー自体が素晴らしいというものではないけれど、 卓越された文章力にどんどんページをめくってしまう。 「将来がない」と自覚した彼らが、お互いにしがみつくように生きていく姿。 仲間を幸せにすることで、自分の生きたあかしを残そうとしている姿が “哀しい”というよりも“染みた”。 最後の一人へむけられた同情の視線も、 丁寧にエピソードが重ねられているからこそ納得できる。 トミーがキャシーのためにテープを探すエピソードの意味が、 ページをめくるごとに変わってくる。 マダムが語った「わたしを離さないで」の解釈に驚かされ、そして納得させられた。
by usedpeople
| 2013-01-09 19:49
| 本。
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