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「FILTH」by アーヴィン・ウェルシュ

「FILTH」by アーヴィン・ウェルシュ

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なんだこの本。
表紙の豚にひかれて読みだしたら、
主人公のブルースはアル中でヤク中でセックス中毒で、
権力をかさにきた警察官。
さらに人種差別主義者で、湿疹だらけのペニスを15歳の女の子にフェラチオさせる。
しかも頭がよくて、自分の出世のために同僚に嘘を吹き込み、
なんのためかもわからないが、友人を陥れて逮捕させる。
しかも絶対に自分が悪人にならない方法で。

しかし、愛が彼を救い、主人公は自分の頭の良さを
世のため人のために使い、市民から愛される警察官に

……ならない!!

ユーモアかと誤解しそうなほど軽快な語り口もだんだんと姿を消し、
ブルースの腹の中のサナダ虫まで彼の暗い過去を語りだす。

ブルースをいまだに苦しめる過去は、
ひとつどころかいくつもとびだしてくる。
その過去が現在のブルースと結び付き、
さらには彼が手がける事件の真相も明らかになる。

なんだこの本。
一気に読めてしまうじゃないか!!
でも読み終わるまでに丸一日(約8時間)もかかったけど。


“愛されているものは死んではいけない”
これがルールだ、例外はない。


人を愛する心苦しさも、
愛する人を失う恐ろしさも知っているはずなのに、
憎しみばかりが大きくなってしまう人間。
実はありがちな人間。

POPな表紙にだまされたけど、この本はウィリアム・バロウズ作品と肩を並べる、
れっきとしたどん底文学だ。
底に辿り着いたと思っても、地面にずぶずぶとのみこまれてゆく。

by usedpeople | 2010-07-15 20:03 | 本。